SUPER RUGBY 第8戦 CRUSADERS戦 (WEEK 10)

4月21日にNZのCrusaders本拠地であるAMIスタジアムで第8戦が行われた。相手は過去8度の優勝を誇る強豪Crusaders。厳しい試合になると予想はしていたが、キックオフから1分も経たないうちにノーホイッスルトライを取られた時は過去最大の点差になるのではないかと不安を覚えた。しかし結果は33-11でCrusadersの勝利だが、このチーム相手によく健闘したと思う。後半10分ぐらいまでは14-11で3点差まで詰め寄り勝てるのではないかと思わせてくれるゲームであった。

まず最初のトライを取られたシーンについて。相手キックオフで試合が始まり、自陣22メールラインから攻めていくのか、タッチに切って一度試合をリセットするのかがチーム内で意思統一されていなかったのか、中途半端になっていたように思う。特に15番のトゥポウが簡単にステップで交わされて抜かれていた。ラック、モール周り(インサイドセンターまでの内側)のディフェンスはこの試合でもそうだが本当によくできている。一人目が下に入り、二人目がボールに絡み、そのままターンオーバーを狙うか、相手ボールの出すタイミングを遅らせている。またディフェンスラインが上がり、相手の攻撃のフェーズを重ねるごとに相手はゲインラインをきれず後退していったシーンを何度も見ることができた。しかし、一度アウトサイドセンターまでボールが渡ると簡単にゲインラインを突破されトライをされている。FWをやっていた人間としては自分が一生懸命に体を張ってディフェンスをしてもウィングなど外で簡単に抜かれてしまうと不甲斐なく感じてしまう。細かいデータはないが、サンウルブズのバックスリー(ウィング、フルバック)のタックル成功率はスーパーラグビーで一番悪いのではないか。先ほど名前を挙げた15番トゥポウ、今回試合に出てない、ウィングのレメキとマシレワ。この3人のディフェンス成功率をみてから選手選考を考えて欲しい。

今回の試合では、11番で福岡が先発出場した。彼は先週JAPAN A代表としてハイランダーズA代表戦に出場し調子が良かったので今回サンウルブズの先発メンバーに復帰したのだと思う。彼は先ほど挙げた3選手に比べれば体は小さいがタックルも良いし、タックルした後にボールをジャッカルが得意である。彼のようなディフェンスのできる選手を試合に使って欲しい。なぜ後半途中に彼が交代になったのかがイマイチわからない。交代で入ってきたマシレワは相変わらず簡単にステップで交わされ、タックルを外されていた。9番では田中が先発出場したが、彼のボックスキックは高さもなくただ単に相手にボールを渡しているだけのようにしか見えない。今回の試合だけでなく、少なくとも彼のボックスキックは過去の試合を含め10回以上見ているがこのキックがプラスになったと思えるのは記憶にない。またラックからボールを出すタイミングも遅く、相手ディフェンスが揃ってしまい、ゴール前でフェーズを重ねてトライまでもう少しというシーンがあったが、その時もテンポが遅いためディフェンスラインが揃い打開策もなく、結局はトライを取れずに終わってしまったという点が気になった。

福岡以外では前回同様、7番のラブスカニフ、5番のハッティング、6番徳永、8番姫野が良かった。FW第3列の選手たちは本当にタックル制度も高く体を張っているからこういった緊張感のある試合ができたのだと思う。

2つ目のトライを取られたシーンはラインアウトからのモールであったが、同じ攻撃を後半やられた時は、上手く相手モールをタッチの外に出して攻撃を止めるなど試合中に修正する能力が見られたのは良かった点だ。

次回は来週土曜日27日に今回同様New ZealandでHurricanesと対戦。強豪との試合が続くが全力で戦い、日本代表であるBrave Blossomsの成長に繋がる試合にして欲しい。

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