BRAVE BLOSSOMS VS France 2nd Match On July 9th 2022

第1戦は後半ミスが多く日本の自滅で点差を大きく広げてしまった。今回は前回の反省を生かし、是非とも勝って欲しい試合だった。

会場は57,000人以上のファンが集まり、会場をBrave Blossomsのジャージを着て応援しいる姿を見ると、とても嬉しくなった。

試合開始前の両国家演奏では我が母校の東京農業大学第二高等学校の吹奏楽部が演奏する大役を務めた。僕が高校生だった時、彼らは僕らより早くから朝練をして、ランチ時間にも練習、そして放課後も練習とラグビー部と変わらず毎日厳しい練習をしていたのを覚えている。当時は、ラグビー部、陸上部、野球部の運動部が全国大会に出場して、文学部では吹奏楽部というのが常連だった。今はラグビー部が県大会で勝つ事ができず、OBとしては少し寂しい思いある(但し、花園出場校の桐生第一、明和県央高校の両監督は農大二高OBなので納得するしかないのかなと思うところである)。

試合は今回もペナルティが重なり前半10分でトライを取られる。試合の入りは本当に気をつけて欲しい。相手にプレッシャーをかける意味でもできる事なら最初に点を取りたい。

しかし、日本は相手キックからのカウンター攻撃ですぐにトライを取り返す。パスを繋いだ全ての選手が素晴らしいが、その中でもライリーのオフロードパスはピンポイントでパーフェクトだった。

その後、懸念点であった最初のラインアウトでまたミスをする。今回は両ロックが2メートル以上と言う事で、フィジカルを言い訳にする事ができない。相手のタイミングをずらすなどして上手く改善していって欲しい。また、スローワーであり、キャプテンの坂手はもう少しレフェリーとコミュニケーションを取って、スクラムで取られたペナルティなど、同じミスを取られない様にできると尚良いと思う。

前回の試合からウィング、フルバックのバックスリーは同じメンバーだったが、特に良かったのはウィングのファンデンヒーファー。前回はミスも多く、アタックも良くなかったが、今回はキック、アタック両方とも素晴らしかった。個人的には彼がフルバックでウィングには松島などスピードのあるウィングが見てみたい。

スタンドオフは前回の試合と同じ李。トライを取られるシーンで、相手がウィングだが簡単に外に振られてトライを取られてしまったのは残念だ。まだまだ若い選手なので今回2試合で素晴らしい経験をしたと思うので、次回秋のテストマッチでは上手くやって欲しい。残念なのは、後半、サインプレーで山中かライリーへのパスだったか(?)パスが少し後ろ気味だったのでパスを受ける選手がうまく取れずノックオンになってしまった。あのパスが繋がればトライになっていたかもしれないので、もう一つ高いレベルに行くならば一つ一つのパスの正確性を上げて欲しい。

フォワード第3列ではガンターのアタック、ディフェンスが素晴らしかった。彼のジャッカルで後半2本トライをセーブした。彼がいなければ点差はもっと開いていたと思う。

後半には前回出れなかった、堀江、田村が出てきたが、最初のプレーで田村のディフェンスが悪く、もう少しでトライと取られそうになる。堀江もラインアウトを2本連続でミスをしてしまったので、良い流れを止めてしまった。

スクラムハーフでは先発の斎藤は素晴らしかった。最初の2トライもしっかりとサポートに入っていて、トライは山中が取ったが、斎藤がしっかりフォローしていたので相手のディフェンスが止める事ができなかった。後半途中から入った茂野だが、彼のプレーは及第点には届いていないと思う。後半トライを取られたシーンだが、このプレーの前にガンターがジャッカルでペナルティを取る。そこから茂野がクイックでプレーを再開し、その際にしっかりボールをキックしていなかったとして相手ボールになる。更に、そこからスクラムを回されフランスのスクラムハーフが単独で攻めるが、その際に茂野は全くディフェンスができていない。スクラムと茂野がいた間を簡単に走らせてしまい、ノータッチでトライにつながった。勿論、リーチもスクラムが回されていたとはいえ、顔を上げて相手のサイドアタックに備えておくべきだったと思う。茂野に変えず最後まで斎藤か、もしくは他のスクラムハーフを使って欲しい。茂野には期待していたので正直残念だ。

途中から入ったタタフの攻撃は相変わらずパンチがある。トライにはならなかったが、ラインアウトからのサイド攻撃は相手はわかっていても止められない。但し、相変わらずボールのハンドリングが悪い、ボールが滑るのは予測できる事だし、もし滑るなら腕にもテーピングを巻き、滑り止めのスプレーをかけるなど対策はできる。そして、大事なところはボールを両手で持つなど基本プレーができればさらに良い選手になれるはずだ。

前回の試合と同様、後半ミスが多く勝てる試合を逃してしまった。相手の選手がどうこうではなく、勝てる時に勝っておかないといつまで経っても上位国に勝つことはできない。テストマッチなのだから、相手が言い訳しようが勝つ事が全てである。もちろん今回多くの選手がプレーできたことは日本にとってプラスである。是非とも秋のテストマッチでは今回上がった問題点を改善して欲しい。

今回5点差で負けてしまったが、MVPはフランカーのガンターだと思う。以前は彼はパワープレーやタックルがハイタックル気味になる事が多く心配なるという印象だったが、ジャッカルなどプレーの上手さが目立ってきた。バックスリーは姫野、ラブスカニなどもいるので選手層が厚くなって今後楽しみだ。

これで日本代表のテストマッチはひと段落。秋の試合が待ち遠しい。